プレゼンや提案資料の表現などに活用できる心理学をその手法別にピックアップした。
伝えたいメッセージは繰り返し訴求
心理学的には、重要なメッセージや相手に伝えたい重要な情報は、何度も繰り返し登場させることが効果的。ザイオンス効果
「単純接触効果」とも言われ、接触する機会が多いほど、その対象に好意や親近感を抱く可能性が高くなることという効果。
プレゼンシーンでは言葉やビジュアルなどで何度も目にすることで、刷り込みが行われ、よく覚えてもらえる。
カクテルパーティー効果
人間の脳は複数の情報が入り乱れる中にあっても自分に関係のある情報のみを選別できるという聴覚効果。
相手にとって「聞き取りやすいワード=関心・関係のある情報」をうまく掴むことで、コミュケーションがより円滑に進めることができる。
良い情報を最初と最後に伝える
プレゼンは最も優位性のある点を最初と最後にアピールすることが効果的。心理学では人の記憶に残りやすい情報は、最初に接したものである場合と、最後に接したものであるという両方が説明されている。初頭効果
第一印象の影響がその後の長く続くこと。
プレゼン時のプレゼンターとしての第一印象はもちろん、提案内容についても、最初に印象を残すことが有効です。
新近効果
初期効果とは逆に、最後に見たり聞いたりしたものが最も記憶に残る現象。最後に見たり聞いたりしたものが強い印象を残せば、過程に関わず好意的に捉えられることがある。
欠点も伝える
良いポイントを最初に伝えることに加えて、欠点や改善すべき点、マイナス評価になりそうなデメリットがあるならそれを伝えることで、プラスの効果を得る場合がある。両面提示の法則
メリットだけを紹介した時よりもデメリットも同時に紹介した方が説得力や信頼感が大きいという法則。きちんとマイナス点も説明されることで情報の発信者の誠実さや信頼が増す。
相手が信頼しやすい情報を提示する
提案に対しての主張や根拠について、相手が信頼しやすくなる心理を意識することが有効。権威への服従原理
権威のある者の言動には無意識に従いやすいという法則。人は安心感を得るために自分よりも詳しい人や専門家の意見を聞きたがる。
社会的証明の原理
「多くの人が支持している」「流行っている」と聞くと、それについて肯定的に考えやすくなるという心理効果。プレゼンでは対象となるターゲットの中で、以下に多くの人の支持を得ているものであるかをアピールすることが有効。
ウィンザー効果
第三者を介して発信された情報は、一次ソースから直接得た情報よりも大きな影響を与えるという効果。自社の提案内容について、第三者からの評価を提示すると効果的。
決断しやすい状況作る
結果は相手が決めることであるが、決定事項の設定によって期待する結果を得る確率が変わることがある。決定回避の法則
選択肢が多すぎると、人は選択することに負担を感じて選べなくなるとされる。プレゼンでは、とにかくたくさんの案を並べた方が好感度を得られるとする考え方もありますが、決定を促す場合には、選択肢は少ない方が有効。
ゴルディロックス効果(松竹梅の法則)
人は3つの選択肢があると中間を選びやすいという現象。プロジェクトの予算などは真ん中の希望額が通りやすくなるように、値幅を設定するのが有効。