同調現象

同調現象(同調心理・同調効果)とは、社会心理学用語で、周囲の人と同じ意見や行動だと安心し、逆に自分だけが周囲と違うと嫌悪感や不安を感じる心理状態のこと。
人は、何かを決定するときや行動をするときに、他人の行動に影響されることは多い。「みんなと同じことをしよう」と思っていなくても、リスクを回避したい本能が働き、周りと同じなら安心するという心理が生まれるとされている。

同調現象は、日常生活でも多く実感される心理で、自分の判断に自信がない時ほど、また、流行に反応しやすい人ほど、同調しやすいとされおり、自発的な判断として他者に合わせるというだけでなく、”周りと違うことが不和を起こす”と考えて、自分の意志と反していても周りに合わせた行動をする場合も多くある。

同調現象がマーケティングに与える影響

同調現象がマーケティングに影響を与える事象として次のようなものがある。

SNSとインフルエンサーによる発信
インフルエンサーのファン(フォロワー)は、ファンコミュニティの中で、同じ意見をもち同じ行動をしたいという意識が強くなりがち。
”コミュニティの中の一員でありたい”という意識は、同調意識を高める大きな要因であり、コミュニティのリーダーあるインフルエンサーが発信する情報は、高いマーケティング効果をもたらしている。

キャンセル・カルチャーへの対応
キャンセル・カルチャーとは、SNSの普及に伴い、多く見られるようになったボイコットムーブメントの一つ。著名人や企業などのある一つの問題点を取り上げて、その他の部分までもすべてを否定するかのように非難することで、言葉としては、英語圏で2015年頃から広く使われるようになったとされている。
インターネットでのいわゆる「炎上」と呼ばれる現象に、今までは、騒動で注目を集める「炎上商法」、「アンチもファンのうち」というような考え方があったが、近年はこのキャンセル・カルチャーのように、致命的なダメージを追うことが多くなり、企業もマーケティングの視点から特に注意を払うようになっている。


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